【活動報告】エクステリアフリーディスカッション開催
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今年はその特別企画として、座談会スタイルの「エクステリア・フリーディスカッション」を開催しました。
![]() | イベント開催に先立ち、令和7年第5回理事会を開催し、当日の役割分担のほか、令和8年の中京エクステリア問屋会賀詞交歓会や理事会、来年度の総会などについて打ち合わせを行いました。 |
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![]() | 15時よりイベント開催です。 まずは堀央創建・堀尾会長(中京エクステリア協会 会長)から開会の挨拶がありました。これまでの活動への感謝を述べるとともに、当イベントの趣旨を説明、確認申請、後継者不足、人材採用、職人不足など、各社が抱える共通課題を率直に出し合い、エクステリア業界の未来を見据えた“本音の場”としたいと呼びかけました。 |
| 総合司会はスタジオクレドの河合氏が務め、進行全体の流れを説明しました。 また、9月20日にご逝去された株式会社協報 滝沢様、11月15日にご逝去された座波様への黙祷を捧げました。 | ![]() |
![]() 今回はフリーディスカッション向きに、コの字型にテーブルを配置したレイアウトとしました。 | ![]() あらかじめ理事会でお願いしたパネラーの皆さんに並んでいただきましたが、周囲の参加者の方々からも積極的な発言をいただき、終始活発な意見交換の場となりました。 |
| イベントでの司会進行は、やはりこの方、グランドワークスの平松氏です。販売工事店・メーカー・商社といった「内側・外側」を飛び越えて本音で語り合える場にしたいという想いのもと、氏の流ちょうなトークと見事なさばきぶりで、事前に用意したテーマを起点にしつつも、参加者の発言から自由に話題が広がるスタイルで進行いただきました。 | ![]() |
■主なディスカッションテーマ
今回のフリーディスカッションでは、主に次のようなテーマについて、各社の事例紹介と意見交換が行われました。
| 1.カーポートの確認申請と4号特例縮小 最初のテーマは、2024年4月の「4号特例縮小」以降、現場で大きな影響が出ているカーポートの確認申請についてです。Wise Galleryの鈴木氏からは、名古屋市内や静岡県富士市などでの現場事例が紹介されました。 | ![]() |
![]() | 床面積10平米超の解釈や「カーポートの床面積とは何か」「屋根の投影面積との関係」など、法令解釈・行政運用に関する質問が多数出され、浜松市・豊橋市・亀山市など、自治体ごとの対応の違いも共有されました。和建 真弓氏やファミリーエクステリア 石川氏からは、カーポートやガレージの是正対応として大きなコストを伴う事例も報告されました。 |
| アルミ建材メーカー代表として参加したLIXIL・畑中氏、三協アルミ・乗本氏からは、自社での説明基準が紹介されました。最終的には、「全国一律の正解はまだ見えない中、自社エリアの行政と直接確認しつつ、顧客とリスクを共有しながら現場ごとに最適解を探るしかない」という現実的な結論にまとまりました。 | ![]() |
続いて、境界ブロック施工時の「余掘り」やカーポート柱・基礎の越境といった、隣地トラブルになりやすいテーマが取り上げられました。鈴木氏(Wise Gallery)からは、平成5年の民法改正で明文化された「隣地使用権」に触れつつ、事前説明と書面での同意を丁寧に行うことでトラブルを回避した実例が共有されました。
「法的には守られていても、近隣との関係を壊してしまえば意味がない」という意見が多く出され、まずは丁寧な説明と合意形成、そのうえで必要に応じて専門家(弁護士等)の力も借りる、といった現実的なスタンスが各社で共通していました。
| 3.職人不足・採用・定着と教育 大和企画の大村氏からは、名古屋・栄(三越内)に拠点を構えることで、「都心で働ける」という魅力を打ち出し、営業・設計職の採用にプラスに働いている事例が紹介されました。ブラックにならない働き方の徹底や、若手育成・離職防止への工夫についても意見が交わされました。 | ![]() |
![]() | グランドワークスの平松氏からは、「採用も営業活動の一部」と捉え、応募があればまず社長自ら時間をかけて会社のビジョンを伝え、共感してもらったうえで選考に進むスタイルが紹介されました。 イカリ建商の五十里氏からは、新卒採用と座学・商品研修・自社職人との「クリエイター研修」を組み合わせることで、営業と職人が共通言語を持ち、お客様への提案力向上につながっている取り組みが紹介されました。 |
| 4.集客とAI・DX活用 イヨダ外構の小林氏(いよちゃん)には、オブザーバとしてご参加いただき、SNS対応の現状や集客の工夫について、AIでまとめた資料を提示しながら熱く想いを語っていただきました。 音声入力+AIを使ったスピーディな資料作成、3Dスキャンを活用した高速測量とCADへの取り込み、Google口コミとメンテナンス対応を組み合わせた仕組みづくりなど、少人数でも高付加価値を出すための具体的なDX実践例が紹介されました。現在は「年4回・5日間だけ窓口を開ける」方式で問い合わせを絞り、1年先までの工事枠をほぼ埋めているという話には、多くの参加者が強い関心を寄せていました。 | ![]() |
鈴木氏(Wise Gallery)からは、4号特例縮小後の新築着工件数の落ち込みや、「盛土規制法」による宅造・盛土規制の強化についての整理がありました。愛知県ではほぼ全域が規制対象となり、1mを超える盛土や2mを超える切土では新たに申請が必要となるなど、エクステリア工事にも大きな影響が出ている現状が共有されました。
| ブロックメーカー各社からは、大臣認定擁壁に関する問い合わせが増加していることや、今後予定されているブロックセミナーなどで情報提供を強化していく方針が示されました。太陽エコブロックス・木村氏、ユニソン・石垣氏からは、盛土規制法に関する自社の取り組みも紹介され、来年4月の総会での詳細解説に向けた予告もありました。 | ![]() |
![]() | ハウジングセンターミウラ・可児氏からは、新築比率が下がる一方で、リフォーム・庭リフォームで売上を伸ばしている現状や、新築:リフォームがおおよそ4:6〜3:7程度で推移している実情、リピート・紹介工事の重要性などが共有されました。 |
| 6.事業承継と経営の学び イカリ建商・五十里氏からは、事業承継をテーマにしたお話があり、2代目としての苦労や、自社職人を含めた組織づくりの視点が語られました。ベストエステリア・山田氏からも、日々の業務を通じて感じている課題や工夫についてコメントがありました。 | ![]() |
![]() | ファミリーエクステリア・石川氏をはじめ、各社からは「経営はどこで学んでいるのか?」という問いに対して、経営書・セミナー・YouTube・専門家の活用など、それぞれのスタイルが紹介されました。共通していたのは、「決算書を読めること」「労務・法令を押さえること」、そして「社員と会社を守る視点」で学び続ける必要性でした。 |
| 老舗である坪井利三郎商店・坪井氏からは、5代目として家業を継いだ経緯や、「子どもに無理強いはしないが、誇れる仕事として見せ続ける」ことの大切さが語られました。 | ![]() |
| クロージングと今後に向けて 最後に、当協会副会長の扇屋・河野氏から締めの挨拶がありました。 法令遵守の観点からも、20万円のカーポートを建てるために25万円もの費用をかけて確認申請を行わなければならないという、現場と制度のギャップに触れながら、さまざまな企業の力をお借りしつつ、現状に即した形に少しずつ変えていかなければならないと協力を呼びかけました。 また、有名講師の講演だけではなく、現場の経営者が本音で語り合う今回のような会合こそ、参加者にとって大きな学びになるとし、今回のディスカッションが非常に有意義な内容であったことから、来年以降もこうした企画を続けていきたいと締めくくられました。 | ![]() |
ご参加いただいた皆さま、誠にありがとうございました。次回以降の開催にも、ぜひご期待ください。






























