【活動報告】岐阜にてブロック塀診断士講習会を開催いたしました

![]() | 会場は、岐阜県各務原市の岐阜科学技術振興センター テクノプラザ。県が整備する先進情報産業団地にある施設です。本館は丘陵地に建ち、傾斜地を利用した建築となっています。最上階の5階には、科学技術図書館などがあります。講習会は4階の会議室を利用して開催されました。 |
講習会開催に先立ち、堀尾会長から受講者の皆さんへご挨拶。記憶に新しい一昨年の大阪での事故、そしてブロック塀の安全安心を求める機運の上昇に始まり、一年半以上経過した現在の状況等が説明されました。自治体や企業などからブロック塀診断の依頼を請けた場合、当協会で地域のブロック塀診断士を紹介等行いますが、その流れの説明等もいたしました。 | ![]() |
第一部は、独立行政法人国立高等専門学校機構 小山工業専門学校建築科 名誉教授 川上勝弥先生による「ブロック塀に関する法令、耐震改修等の講習」です。 過去のブロック塀倒壊による被害状況と、それに対する国の施策の制定の経緯から始まり、第一ステージとして、現行の法令と基準の紹介がまずありました。建築基準法の「もと」基準と、日本建築学会の設計規準、いわゆる「のり」規準です。また、日本産業規格(旧 日本工業規格) JISの説明等も行われました。 | ![]() |
![]() | 休憩を挟んだ第二ステージでは、一昨年の秋から施行された、改正耐震改修促進法の解説と、耐震評価基準の説明等です。建築防災協会の講習のみではわかりづらかった部分等が大変わかりやすく解説されました。全国には同講習を未受講のブロック塀診断士も多いと思いますが、川上先生の講義を受けてからなら理解が早いかと思います。 |
![]() | 第二部は、泰斗設計の川村泰樹先生。構造設計の一級建築士です。通常の建築物の他、エクステリアに関連する建築物の構造計算や申請業務等も普段の業務として手がけられる、全国的に数少ない専門家の一人と言えます。今回、Wise Gallery 鈴木社長からの縁でご紹介いただき、講師をお願いしています。 |
川村先生は、こうした講演をされるのは今回が初めてとのこと。かなり緊張されてらっしゃいましたが、いざ始まりますと、手持ちのクリアファイルやブックエンドなどを基礎に見立てた説明等、あまり構造計算などに普段の業務で関わることの少ない我々エクステリア業者でも大変わかりやすい内容でお話し頂きました。 特にエクステリアの施工業者が業務に於いて注意すべき点でありながら疎かになりがちな部分、それは基礎。 ブロック塀と比べイマイチ経験則のみで動いてしまいがちな基礎については、I型基礎とL型基礎の構造上の違い、また逆L構造の時の滑動摩擦などが模型を使った紹介で直感的にも理解しやすい解説でした。 | ![]() |
同じく重要とはわかっていても実際どういう働きなのかよくわかりづらい、控壁と横筋。こちらもクリアファイルに控壁に見立てたパーツを付け、力の働く部分を線で描き分けるというやり方で説明されました。実践的な部分では擁壁を兼ねたブロック塀の扱いなど。経験上、これは危ないなと思っていても、どこが?と言われると答えづらいときがありますが、それらについて根拠に基づいた明快な解答が為されました。 この他、ご自身の業務上で発生した事例や、自治体への申請で起こりがちなトラブルなども紹介して頂きました。 | ![]() |
![]() | 第三部は、耐震エクステリア FITパワーの大林株式会社 片桐右裕次長から。建築基準法での基本的な安全に関する考え方として「災害時に速やかな避難が保証できるところ」とあると、第一部で川上先生からもお話しがありましたが、大林のFITパワーは、まさにその考えを具現化した補強金具。災害時に「ブロック塀の瞬間的な転倒を防ぎ、人命を守ることを最優先に考えた」製品です。 講習では、狭小な隣地境界など撤去作業の難しい現場での施工事例が紹介されました。比較的土地の広い岐阜エリアでも、市街地などFITパワーの活用できそうな場所も多く、今後このエリアでも、ブロック塀診断士の活動の助けとなっていくのではないでしょうか。 |
以上、4時間半にわたる長丁場でしたが、診断士の皆さん、熱心にメモを取って受講されていました。三部構成で、法規制や規格基準、建築物として構造上気をつけねばならない点や実際の申請業務、また実践的な耐震補強方法の紹介等、非常にバランス良い内容だったのではないかと思います。
中京エクステリア協会では、今後もこうした安全安心なブロック塀、町づくりを実現するための活動を続けて参ります。